エンゲージメント率が低下傾向に!? 結果を出し続けるコンテンツ戦略とは

この記事はContent Marketing Institute(CMI )が主催したウェビナー「ContentTECH 2015」での話である。今回はソーシャルメディアとブログでのエンゲージメントがテーマであった。みんなが少しずつコンテンツを出す頻度を上げているけど、エンゲージメントが下がってしまっている。この問題は経験している人もいるかもしれない。 

コンテンツの量とエンゲージメントが反比例してしまう原因は? 

アメリカの家具店ポッタリーバーン(Pottery Barn)にも同じ問題があった。彼らはPinterestで成功していたので、もっとPinterestに力を入れようと思って、コンテンツを増やしたそうだ。しかし、エンゲージメントが下がってしまった。 

CMIの調査によると、デジタルマーケターの90%がコンテンツに力を入れている。顧客の80%が、ブランドを知るのは通常の広告よりもコンテンツからのほうを好むと言っている。しかし62%のマーケターが、自分のコンテンツは効果的ではないと思っている。 
 
最近はFacebookのアルゴリズムの変更でエンゲージメントが半分程度まで下がったようだが、ほかのSNSも同じ傾向のようだ。ブログのシェアも、Twitterのリツイートもすべて下降傾向である。 

一方で、Instagramは(徐々に下降傾向ではあるが)ほかのSNSよりも20~30倍ぐらいエンゲージメントが高い。 
この原因は何なのだろうか?コンテンツの出し方やSNS側に何らかの理由があると思うかもしれないが、実はほとんどの場合、コンテンツの作成段階に問題がある。次からコンテンツの作成段階で考慮すべきことを説明しよう。 

コンテンツ制作の前に考慮すべき4つのこと 

1.マーケティングは科学だ 

勘も大事だけど、データの方が確実だ。データをうまく使うと、バズるコンテンツを予想して作れる。 
 
例:Netflixは視聴データから、ケヴィン・スペイシーが出る映画とデヴィッド・フィンチャーが作った映画、そして政治ドラマの3つのジャンルが平均より高いと知っていた。そのため、デヴィッド・フィンチャーが作った、ケヴィン・スペイシーが出演する政治ドラマである「House of Cards」に、すぐ2シーズン分のお金を出した。結果、大人気の番組になって、200万人の新規登録者を獲得し、House of Cardsの視聴者アンケートでは、この番組があるからNetflixをキャンセルしたくないという人が86%もいたという。 

2.チャネルに合うコンテンツに限る 

多くのメディアは、作ったコンテンツをすべてのチャネルに同じように流すが、それより効果的なのは、各チャネルに合うコンテンツのみを流すことである 

3.オールウェイズ・オン 

始めたり、やめたり、また始めたりを繰り返すことはできない。一度オーディエンスを放置したら、放置されてしまう。Facebookのエッジランクアルゴリズムは、定期的に良いコンテンツを出すページをひと押ししてくれる。とりあえずたくさんコンテンツを出すことで、すべてが質の高いコンテンツではない場合は、この限りではない。 

4.ほかのコンテンツに勝つ 

自社の顧客は他にどのようなコンテンツを見ているだろうか?そのコンテンツに勝つためにはどうしたらよいかを考えなければならない。 

エンゲージメントを高めるコンテンツとは 

最後にエンゲージメントを高めるためのコンテンツの事例を紹介する。 
 
Associated Bankというアメリカの地方銀行のFacebookページでは、自社の話と関係がないもの、たとえばアメフトチームの話とか、地方に住んでいる人たちが好きなコンテンツを発信している。その結果、平均と比べて10倍ものエンゲージメント率を獲得した。 
 
Hitachi Data SystemsのFacebookページも、平均より10倍高いエンゲージメント率を獲得している。理由はコンテンツの中に役立つ情報や、面白いコンテンツがあるから。US Postal ServiceのFacebookページもうまくできている。その理由はカスタマーサポートのチャネルとしても使っているからである。 
 
成功しているブログの例としてはP90Xという運動プログラムを提供するサービス。彼らのブログでは、記事ごとに400を超えるインタラクションを獲得している。Salesforce.comとHubspotもエンゲージメントの高いブログを書いている。 
 
またツイッターをうまく使っているファミレスのDenny’sも注目すべきだろう。エンゲージメントは平均の50倍で、とても面白くて、笑えるコンテンツを提供している。 
 
Instagramの王者はGoProだ。月に50投稿で、投稿の平均インタラクションは約20万だ。そしてコンテンツの多くは“ユーザーが投稿した”ものだ。彼らの商品がコンテンツ作成を支えているというメリットがある。 
 
ポッタリーバーンの話に戻ろう。彼らがどうやってエンゲージメント率を改善したか説明する。彼らは投稿数を減らし、テキストを写真に合うように調整した。数は少なくとも、一つひとつのコンテンツに磨きをかけることによって、以前のエンゲージメント率より向上することができたということである。 

限られたリソースの中では、質と量はトレードオフになってしまうだろう。量も大事かもしれないが、どちらかを選ばなければいけないなら、迷わず質の高いコンテンツを作ることをおすすめする。 
 
 
出典:TrackMaven 

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