質問される側の心境を考えたことがある?-「聴く」を知ろう

企業とマーケティングエージェンシーとの相性は「聴く力」にあるかもしれない

マーケティングを進めるために、社外の専門家を使って成果を出していくのは多くの企業で行われていることだ。人間同士が協力してやっている以上、「このエージェンシー/代理店(または人)とは仕事をやりやすい」「あの会社とはやりにくい」という話がどうしてもでてくる。それはなぜだろうか。

答えの一つに、「聴く力」があるのではないかと考えている。「忙しい時に、そこまで指示しなければならないのか」という思いは、「それはプロとして考えてください」といった言葉となって、マーケティングエージェンシーにぶつけられる。

本コンテンツでは、主にマーケティングにおける「ディレクター」としてどのようにコミュニケーションしていくのがよいかを考える。普段接する外注先(マーケティングエージェンシーなど)はどうか、自分がすぐに使えそうなテクニックがないか、といった観点で読んでみてほしい。

ディレクターに必要な能力(基礎)

まずはディレクターに必要な基礎能力を挙げる。

スキル

仮設設計やチームビルディング、進行管理といった基礎スキルだ。仮設設計というと高尚に聞こえるが、まずは相談主のビジネスモデルや個人としてのインセンティブから、得たいゴールを的確に把握・言語化して、それを相談主と共有する力がディレクターには求められる。

コミュニケーション

でイレクターとして相手から「Yes」をもらうためのテクニックやインセンティブの意識など。交渉力と呼ばれることもある。さらにチャットやファイル共有、ビデオ会議といったツールを使ってコミュニケーションにかかる労力を適正に抑えることもこのスキルの一つだ。インパクトMでは、Microsoft Teams, Zoom, Chatwork, Slack などを必要に応じて使い分けている。

ナレッジ

マーケティングに関する知識、顧客のビジネスに関する知識、最新のトレンド、一般教養など多岐にわたる。この分野は、ディレクター個人としての自己研鑽に加え、企業としての文化や情報共有の姿勢などにも関係してくる。

ディレクターに必要な能力(応用)

上記に紹介した基本スキルは、一般的なディレクターやアカウントマネージャーなら持っているだろう。この上の応用スキルが、仕事のやりやすさを左右する。

翻訳力

ディレクターは、顧客のニーズをくみ取り、それを実現できるプロフェッショナル達に対して説明しなければならない。また、顧客の意見でなくクリエイターの意見を通すことを求められることもある。プロとしてそのほうが顧客にとって良いと判断した場合は、顧客に対してNoや代替案を出すことが必要だ。翻訳がただしくできないと、ただの「メッセンジャー」になってしまったり、「言っていることが良くわからない」という評価をもらったりしてしまう。時に、依頼元のお客様に翻訳力が高いケースもあるが、エージェンシーとしては欠かせない能力だ。

期待値のコントロール力

顧客に対しても、クリエイターに対しても期待値をコントロールするのは簡単ではない。期待値コントロールができているケースは、そうでないケースと比べると、ステークホルダー(顧客や、クリエイター)の目的を常に把握していることが多い。相手の目的を正しく理解していれば、妥協できる部分と妥協できない部分を判断できるからだ。妥協できそうな部分については条件を飲んでもらいつつ、妥協できないところについては、最大限の努力をするといった話だ。SOW(Scope of Work)があいまいな部分について、追加予算になるかどうかもめた場合の歩み寄りの交渉でも、この期待値コントロールが、最終的な満足度や関係性に関係してくる。

ディレクターに必要な能力(応用)

必要な力は「聴」かないと発揮できない

上に挙げた、力を身に着けるためにはどうしたよいだろうか。すべてにおいて、聴く必要がある。聴かなければ翻訳もできないし、期待値すらわからない。進行管理やチームビルディングも相手の都合を聞かなければ、意味をなさない。かのドラッガー先生も次のように言っている。

多くの人が「話し上手」な人が人との関係づくりが得意なのだと思っている。対人関係のポイントは聴く力にあることを知らない。

ピーター・ドラッガー 「非営利組織の経営」
ディレクターの基本スキル

質問される側の心境を考えたことがあるか

聴くだけでは物事が進まないのも事実だ。仕事で物事を進める以上、質問を避けることはできない。「聴く」ことによって、信頼を得ることはできるが、時には、相手に思い通りに動いてもらう必要がある。「質問」は相手の行動を支配するものだ。

人間は、質問されたら本能的に回答を探してしまうもの。つまり、戦略的な質問を使うことで、相手との会話をコントロールすることができる。

しかし、質問されて回答をしたり、判断をしたりすることはストレスでもあることに気を付けなければならない。判断することは責任を負うことになり、それだけの負担が発生する。企業のエグゼクティブが高い報酬をもらって、判断をしていることを考えても想像できるだろう。

質問によって達成できることは主に次のようなものがある。

  • 知りたいことを聞ける
  • 気づきを与える
  • モチベートする
  • 考えさせる
  • 命令する

何を達成したいかによって、アプローチは異なり、いたずらに質問をし続けると、相手の気持ちに負担をかけるだけに終わることに気を付けたい。「聴く」という一連の行動の中に「質問する」を効果的に挟み込みたい。質問には節度やタイミングが重要だ。なお、インパクトMでは「聴く力」を重視し、お客様とのコミュニケーションをおこない、同時にそのノウハウを研修メニューとしても提供している。

質問とは相手の行動を支配すること

「聴く」と「質問する」の違い

ここであらためて、「聴く」と「質問する」の違いを整理する。下図のように、「聴く」とは海図を作るようなものであるのに対し、「質問する」は、明確な目的があり誘導する意図がある。「聴く」ことによって、我々が進むべき方向を決めるための素地(地図)を作り、「質問する」ことによって着地点に向かって誘導する。ビジネスの場では、「聴く」ことにとって。相手の心の扉を開き、こちらの会話が相手に届くようにする。その結果、効果的に質問ができることになる。

聴くと質問するの違い

「聴いて、質問する」

自分のやるべきことを達成しようとするあまり、いたずらに質問をし続けてしまうことはかえって目的達成を困難にする。質問されて回答を返すことは、ストレスである。相手の気持ちに負担をかけるだけに終わることに気を付けたい。もちろん、必要なことを聞かずに(分かったふりをして)終わるのは最も避けたい。「聴く」という一連の行動の中に「質問する」を効果的に挟むことで、相手も気付かなかったことを知り、付加価値の高い成果物を提供できれば、みながハッピーになれると信じている。

「質問力」研修についてインパクトMに問い合わせる(Zoomにも対応しています)。

若手社員向けの研修メニューです(マーケティングに限らず)。

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