マーケティングオートメーションでBtoB企業が狙うこと

2019年8月7日

想像してみてください:あなたはソフトウェア会社で働いているマーケターです。あなたのチームは、会社のソーシャルメディアアカウント、リードナーチャリング(見込み客の醸成)、eメールマーケティング、検索エンジンを使ったマーケティング、コンテンツマーケティングなどを毎日管理しています。マーケティングチームが大きくなるにつれて、今まで使えていた手動ツールは、顧客との1対1の関係管理には役に立たなくなってきました。

上記のような状況に心当たりがあるのなら、そろそろソリューションの変更時期です。よりスピーディな顧客とのやり取りやカスタマイズを実現し、マーケティングの生産性を向上させ、質の高い見込み客をできるだけ多く獲得し、BtoBマーケティングにおけるROI向上に役立つ、そんなソリューションを検討してください。そうです、まさに マーケティングオートメーションのことですね。

多くの企業がマーケティングオートメーションを武器として備えている理由

インターネット時代を迎え、BtoBビジネスにおける購買行動は大きく変わりました。テクノロジーが発展し、新しい情報にアクセスできるようになったため、デジタルに強いBtoBの見込み客は、製品やソリューションを探すスキルを既に手に入れています。今の見込み客は、十分な情報を得た上で意思決定をするためのツールを所有しているのです。例えば、自分たちとの関係性が深いコンテンツを定期購読したり、ニーズに合わせてカスタマイズされたコンテンツを提供してくれるブランドと連携したりします。

要するにこの図のように、見込み客は今や自分の力で絞り込みができるのです。


その結果は?

その結果営業チームは、非効率的な営業手法によって見込み客を育成するという古いな慣習を変え始めました。代わりに、自分たちの製品情報を組織的に発見してくれる見込み客に大きく依存するようになったのです。さらに多くの企業が利益の創出方法も変えてきているため、営業プロセスの上半分はマーケティングの責務になりつつあります。

したがってマーケティングオートメーションは、企業にとって今や戦略上の必須項目となり、その有無で競争力を維持するか、または失うかが決まります。これは作用・反作用の法則のようです。テクノロジーの発展により見込み客の独立性が高まると、マーケティングチームのテクノロジーに対する依存度が高まるという現象です。

理解を深めるために、BtoBにおけるマーケティングオートメーションの次の5つのメリットを参考にしてください。

1. マーケティング生産性の向上

マーケティングオートメーションにより、業務を事前にスケジュールすることができます。その結果、マーケティング活動の計画、実行、効果検証に必要な時間とリソースを削減できます。つまり、戦略上重要または緊急の事案に時間を割くことができ、全体的な生産性が向上します。

2. 質の高いリードの獲得

リードの戦略的データを活用したマーケティングオートメーションのスコアリング及び醸成要素があれば、営業チームに多くのリードを提供するだけでなく、質の高い、つまりすぐに営業できるレベルのリードを提供することができます。リードの戦略的データは非常に重要な要素です。これによって営業チームは、ファーストコンタクトの前にそれぞれのリードを深く理解できるためです。つまり、最初のシナリオをリードの関心事に合わせて仕込むことができるため、従来の「予約なし営業」とは違う「手厚い営業」が可能になります。

3. マーケティングと営業の密な連携

ビジネスの成功は、営業チームとマーケティングチームの関係性が強いかどうかにかかっています。マーケティングオートメーション技術を適用すれば、クローズドループシステム(緊密な連携システム)が出来上がるため、この2部門間の連携が促されます。その結果、マーケティングの要素とCRMシステムがうまく噛み合い、2部門間のパートナーシップと透明性は徐々に向上していきます。

4. 広範囲にわたるタッチポイント

マーケティングオートメーションは、マーケティング分析とキャンペーンはもちろん、例えばCRM統合、リードの戦略的データとスコアリング、ランディングページ、eメールマーケティング、ソーシャルメディアマーケティングなど、マーケティングのタッチポイント間をシームレスに統合することができます。これらが統合されることで、複雑かつ包括的なプロファイリングが可能になり、見込み客の好みや行動に基づいて特定のタッチポイントをセグメント化し、ターゲットに設定することができるようになります。

5. ROIの向上

マーケティングオートメーションの実装を推進する大きな理由は、ROIが向上することだけでなく、重要なパフォーマンスメトリクスを適切に効果検証及びレポートできることです。マーケティングオートメーションでは、マーケティングから営業プロセスまでのクローズドループシステムが可能になります。そのため、組織全体へのあなたの貢献度について綿密かつ生産的にレポートすることができるのです。マーケティングオートメーションは、多様なマーケティング活動に価値やROI をもたらしてくれます。スマートで組織的なプロセス調整を同時に行えるようなプラットフォームを使用すれば、先月送信したプロモーション用ニュースレター、昨年主催したWebセミナー、上司が今週見込んでいる売上または次の四半期に期待している売上といった点と点をつなぐことができるのです。

マーケティングオートメーションを使うなら、正しく使うこと

多くの企業は、eメールの一斉配信機能を利用するくらいで、マーケティングオートメーションプラットフォームを最大限に活用していません。確かにeメールの一斉配信だけでも時間、労力、及び支出は節約できるでしょう。しかし、たくさんの充実した機能を無駄にすることになります。

例えば、マーケティングオートメーションツールがあればトリガーイベントを利用して、見込み客や顧客が関心を寄せたコンテンツに基づきフォローアップのコンテンツを提供することができます。または、リードのエンゲージメントや関心を示したパターンに基づいてリードのスコアリングプロセスを改善することができます。さらに、プログレッシブプロファイリングを採用して質問を段階的にすることで、ターゲット層が正しいかどうかの判断、及びコンテンツをニーズに合わせることが容易になります。

マーケティングオートメーションにより、マーケターは購買プロセス全体を俯瞰視点で見ることができます。これは、昔は簡単にはできなかったことです。MAプラットフォームによって、あなたの会社の市場参入方法が変わり、さらに購入者にその変化を受け入れさせるために費やす時間が変わります。今までやってきた活動を変える覚悟ができているマーケターにとっては、マーケティングオートメーションの登場は一大事件と言えるでしょう。

マーケティングオートメーションは、それをを正しく使っている企業にとっては、戦略上の極めて重要な要素になったのです。

これはインパクトMが所属するBBNのBuzz Magazineの記事を翻訳して掲載しているものです。

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