MODERN TALKING:マーケティングにおけるAI、チャットボット(初心者向け)

2019年9月5日

連日ニュースでも取り上げられる人工知能(AI)。私たちのクライアント企業が2018年に行った調査によると、DACH(ドイツ、オーストリア、スイス)の企業の90%以上は、2020年末までに何らかの形でAIを活用したいと考えていることが分かりました。この数字を見て、頭の中に大まかなAIのイメージがわきますか?ピカピカのロボット?無数の0と1が並ぶビッグデータストリーム?それとも映画に出てくるような自ら意志を持つスーパーカーでしょうか?

現実は、AIの概念や会社への応用はまだ脅威と思われている側面もあり、インパクトのある活用事例はまだ多くありません。もちろんアルゴリズムと連動した多くのツールは、すでにビジネスにおいても日常的に使用されていますが、人手によるプロセスがいくつか省略される程度です。これもやはりAIと呼ぶのでしょうか?どの辺がAIの知能なのでしょうか?AIの「知能」は、本当の意味での利益をすでに生み出しているのでしょうか?

チャットボットと5分ルールの理由

企業がチャットボットを利用した場合を例に挙げてみましょう。皆さんご存じの通り、要所要所におけるカスタマー体験、特に顧客が問題や重要な懸念事項を抱えているときの体験は絶対に正しくなければなりません。ハーバード・ビジネス・レビュー誌によると、顧客の問題点を5分以内に解決しなければ、その体験はマイナスなものになるということです。リードの要望についても同じことが言えます。そのためには常に対応できる状態でなければなりません。しかし24時間体制のホットラインを設置するには費用がかかります。それだけでなく、顧客に必ず有益な回答を提供できるかどうかは、もはや運頼みです。しかしチャットボットなら、質問内容を適切な部門に振り分け、是正策を提供し、予約などの細かい作業を自動化してくれます。

保留音の制作者は仕事がなくなる?

もし、常に対応可能な社員がいて、あなたはその人に仕事を任せることができるとします。またその社員は問い合わせ者の名前を聞いただけで、(保留音に切り替えることなく)個別に対応・解決することができるとしたらどうでしょうか?チャットボットは、リアルタイムにCRMデータにアクセスし、電話中の会話に基づいて新しい情報を追加していくため役立ちます。さらに、その顧客は、電話するたびに、別の担当者になっても問題点について再度説明する必要はありません。その顧客のプロフィールが詳細になればなるほど、カスタマーサービスもより一層パーソナライズされ、顧客獲得プロセスもより具体的になります。

パーソナライズ化されたeメールを超える

また長期的にみると、チャットボットにはeメールマーケティングを超えるポテンシャルがあります。それがパーソナルメッセージです。eメールのようにリアルタイムで機能するメッセンジャーシステムを利用します。では、見込み客の受信トレイに入ってきて、しかもパーソナライズ化されるeメールよりも何が優れているのでしょうか?私たちは1日50回以上もスマホの画面を見るそうです。そこでAIのメッセンジャーシステムを使えば、受信者のクリックスルー回数が抑えられるため、eメールマーケティングのプロセスを大幅に加速化することができます。アメリカのEpsilon社が2016年に行った調査によると、eメールの開封率は上がっているものの、クリックスルー率は年々下がっているということです。しかし、AIを使ってスマートフォンのメッセンジャーに直接アクセスすれば、クリックスルーの問題は解決されます。

BtoB向けボットの使用可能性

チャットボットの存在は、オンラインのファッションストアやインターネットプロバイダーなどを通じて知る方が多いと思います。そのため、「チャットボットは自分の会社には関係ない。ましてうちみたいなBtoBの企業にとっては」と感じるかもしれません。しかしComScore社によると、BtoBの意思決定者たちは、Facebookに毎週12時間以上を費やしているそうです。ちなみに第2位のGoogleは3時間以下でした。つまり、BtoB企業においてFacebookの価値が高まっているだけでなく、顧客があなたの会社の存在を知れば、会社のチャットボットにアクセスする機会も増えるはずなのです。

常に重要なのは「どのように使うか」

これまでサイトで体験したチャットボットの性能に嫌悪感を持っていませんか?確かにチャットボットは、宣伝広告の戦術や不適切なサイトで多く使われています。またあなたのことを何も把握していない場合、そのAIはまだ子供なので、出勤初日のサポートスタッフくらい役に立ちません。しかし正しいアプリ、例えば、サポートポータルを選んでログインすると、自分の顧客をすぐに特定し、対応することができるようになります。

この顧客データは、顧客体験の個人データとして、チャットボットによって活用かつ強化され、最終的には、あなたの会社のサイトにおいて具体的なターゲティング、パーソナライズ化などを行う他のAIアプリでも重要な役割を果たします。このようなアプリはまさにマーケティングの将来像であり、近い将来必ず実現されるでしょう。

これはインパクトMが所属するBBNの、Buzz Magazineの記事を翻訳して掲載しているものです。

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