総合型エージェンシーはブティック型と同じくらい専門的だと証明できますか?

2020年3月3日

答えは「できません」です。

空母が潜水艦と同じくらい専門的だと証明できないのと同じことです。そもそも何故同じだと言いたいのでしょうか?

おそらく「総合型エージェンシーとブティック型エージェンシーの関連性を証明できますか?」という質問の方が分かりやすいですね。この質問に対してなら、それぞれどんなメリットがあるのか、さらに自分たちのクライアントにとってはどちらが有益かを実証する分かりやすい答えを出せるかもしれません。

数年前は、「総合型エージェンシーvs専門家」の方が的確でした。どちらのタイプも基本的には、クライアントにサービスを提供するために同じスキルを利用していたためです。クライアントは、会社や資源の規模、料金、スピード、親和性など、明確な差別化要因に基づいて意思決定をし、最終的にはその価値で判断することができました。しかし技術が増え続け、組み合わせの複雑さが高まる中、専門分野に特化した「ブティック型」という全く新しいジャンルのエージェンシーが登場しました。技術スタック毎に分野を絞り、本当の意味で差別化をするのですが、この場合、デジタルソリューションにのみ投資をすることになります。それは戦略ではありません。技術が猛スピードで進化する時代に、従来の総合型エージェンシーの体制では、正真正銘の最先端になるための変革を遅らせてしまいます。これが多くのエージェンシーの特徴です。現在では20ものエージェンシータイプが存在し、科学やアート系のソリューションからマーケティングの専門家までを含む多様な組み合わせがあるからです。

つまり、すべての正解を持っている人はいないということです。ソリューションはもう「どちらか一方」ではなく「どれとどれを組み合わせるか」の時代なのです。

まずは、能力の高さと深さに対する客観解析力に優れている(または「エゴが抑えられている」)エージェンシーです。そしてこの解析を、「依存し合うサービスプロバイダーの間にこれまでとは全く異なる商業的関係を構築する」ためのテンプレートにするべきです。これまでとは違う完全なパートナーシップに基づき、公正と連携を最も重視し、包括的かつオープンなコミュニケーションを実現できる関係です。このアプローチでは資源の共有を認めなければなりません。戦略、クリエイティビティ、接続性、実現性などを正しく組み合わせることで、事業変革や業績アップを成功に導くことができます。常に自社の責務を重んじると共に意識することが、「総合型」エージェンシーの今の役割です。優良エージェンシーは、重要なインサイトを与えることができ、またターゲットオーディエンスの心に届く「魔法的要素」を提供することができます。合理的な技術に執着するBtoBの世界においてオーディエンスを感動させる要素です。

最良の結果を生み出すために必要な最終的な要素があります。今の技術では、クライアントの顧客が全体の流れを推進できるのです。そのため、クライアントもこの新しいモデルに関与しなければなりません。これまでのエージェンシーとの関係を再評価し、ワンチームとしてのコンセプトを具現化しなければならないのです。これができれば、クライアントも技術に使われるのではなく、活用する側になることができます。賢明なクライアントはすでにこの新しいモデルを採用しています。

マーケティングのプロとして、ソリューションはすでにありますが、本当の改革は心の中から始まります。アプローチを抜本的に「コンペティティブ」から「コレクティブ」に転換することを想像したときに、事業変革の必要性が生まれます。

これはインパクトMが所属するBBNのBuzz Magazineの記事を翻訳し掲載しているものです。

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