イベントに必要なコンテンツマーケティング戦略とKPIとは

コンテンツマーケティングとはブログだけを指すのか? 答えは否である。 
マーケティング戦略の中で、今でも重要な位置付けを持つイベント。デジタルマーケティングはリアルイベントを否定するものではない。実際、コンテンツマーケティングの分野でも大規模なカンファレンスが行われている。各種調査調査でもBtoBマーケティングにおいてイベントは選択肢から外れてることはまれだ。今回は、イベントへのコンテンツマーケティングの考え方(コンテンツストラテジー)の適用を考えてみる。 

はじめにイベントの特性・傾向を考えてる。(重要!)  

 普段会えない人に会える 

イベントというのは特別感を持つものであり、普段面会の機会を得られない意思決定者と会える場でもある。多くの集客をするには「この内容なら聞きたい」と思わせるコンテンツを準備/製作することが重要である。特にBtoBの世界では、「営業は顧客と会う口実をいつも探している」ことを念頭に置いておくとよい。 
 

費用がかかる上に単発で終わりがち 

会場代をはじめ多額の費用を必要とするイベントを一度実施するだけで終えてしまうのはもったいないと思わないだろうか?イベントは、継続的なメッセージングにより購入意欲を高めたり、来場できなかった顧客にコンテンツを提供することで、その効果を高めることなどが効果的な活用方法としてあげられる。 

集客に苦労することもある 

「目標集客人数に届かない」「エグゼクティブ向けのはずが担当者ばかりだった…」など開催直前までやきもきしたことはないだろうか?そのような事態を回避するためには、普段からのネットワーキングやストーリーテリングが大切である。ターゲットコミュニティーの中に自社が受け入れられていれば集客は容易になる。 
 
これらのポイントを踏まえ、Content Marketing Instituteでは以下のようにイベントの工夫のしかたが紹介されている。 

イベントのためのコンテンツマーケティングストラテジー:

6つのステップ 

今週、イベント業界の国際団体IAEEで、イベント運営業者向けにコンテンツマーケティングについてプレゼンテーションを行った。何千人、時に1万人以上の来場者を伴う大規模なイベントを運営するマーケターやマネージャーを対象としたものである。 
コンテンツマーケティングの認識という点では、イベント運営業界は他の業界と大差はなく、むしろ遅れてすらいる。プレゼンテーションに集まった聴衆の多くは、ドキュメントコンテンツ戦略、ソーシャルメディアの活用、ことに販促用としての活用に対する特別な意識がなかった。加えて、当イベントでのセッションのうち録音・録画記録されたものはわずか20パーセント程度で、コンテンツ資産の保存、再利用の大いなる機会を失ってしまっている。 
イベントを主催する際、コンテンツマーケティングはどこから始めたらよいのだろうか。 

「なぜ? (Why?)」イベントをやるのかをもう一度考えよ 

マーケターの多くは「何」または 「どこ」 から始めようとする。ブログを書いたほうがいいのか、または、Facebookに何を投稿したらいいのか、といった具合だが、これは間違いのもとである。マーケティングであることを忘れないでほしい。コンテンツが人の行動に何らかの影響を与えることがなければ、それはコンテンツのままである。コンテンツマーケティングとは目に見える変化をもたらすものである。 よって、われわれのファーストステップは常に「なぜ」である。 なぜ、ファーストステップなのか。 
 
イベントの最終目的には下記のようなものがある。 
■より多くの来場者を惹きつける. 
■来場者に、ほかの商品やサービスの抱き合わせ販売をする 
■出展者に新たなセールス機会をつくる 
■より多くの来場者を呼び込む 
■来場者離れを低くする 
いずれにしても、まず上記のように目的を挙げることをファーストステップとする。 

「誰か」とは誰か (Who’s the who?)を突き詰めろ 

簡単に聞こえるようで、実際はそうではない。多くの場合、イベント主催者はいくつかの目的に対し、ターゲットとする買い手ごとにコンテンツプランを設定する。物事を必要以上にややこしくせず、まず以下の2つのステップから始めよう。 
■ターゲットとする主な来場者は誰か 
■ターゲットとする来場者から、買い手の人物像をつくりあげる 
 
たとえば、 
■なぜ: より多くの来場者を惹きつけるため 
■誰に: 暖房、空調工事業者” (例) 

自社のストーリーはそこにあるか 

イベント運営業者からの質問で一番多かったものは、何について語ればよいかであった。おかしな質問ではないだろうか。イベント運営業者とは、啓発的なプログラムをつくることが本業であるのに。 
 
一番大きな問題は、イベント運営者がコンテンツで何をするのかを理解せずに、単にFacebook、 Twitter、ブログなどにコンテンツをつくればいいと思っていることだ。イベントの宣伝をする際、まさにコンテンツで何をするかということが問われるのだ。 
 
「なぜ」「誰に」が明確になれば、次に行うのがコンテンツプランだ。通常、コンテンツのトピックは、イベントプランに沿ったものになる。埋め合わせのためのコンテンツではなく、価値や意味があり、人々を惹きこむコンテンツで、来場の可能性がある人々に共感を呼び起こすものだ。同じストーリーを徐々に改善していくだけでなく、新しいストーリーを創らなければならないのだ。 
 
ターゲットの買い手の定義づけができたら、買い手からの厳しい視点を自ら問い、リストアップしてみよう。 
■買い手が寝るのも忘れるほど惹かれるものは 
■買い手の泣き所は 
■イベントでどのようなコンテンツが創られると思うか 
■買い手の泣き所にコンテンツをどうやって直結できるか 
 
関係者の認識を統一させるために、ミッション・ステートメントを用意しよう。「Why?」を含めた下記の例のようになるかもしれない。 

例: 

我々のコンテンツマーケティングプランの目的は、より多くの来場者を惹きつけ、イベント参加登録をしてもらうことである(Why)。主要ターゲットは太平洋岸北西部地区の暖房、空調業者である。これらの業者に対し、新たな試みとして、従来のマーケティングプログラムにオンラインマーケティングを統合した。すなわち、主要コンテンツとして、インバウンドマーケティング、ソーシャルメディアトレーニング、テクノロジーシステム、マーケティング目的の社員教育などが含まれる。 

自社のコンテンツ資産は「何」か 

新たなコンテンツを制作する際には、何を媒体とするのか決める必要がある。 
■記事 
■前回イベントのビデオ、プレゼンテーション 
■書籍、電子書籍 
■オーディオインタビュー、podcasts 
■印刷物 
■写真、画像 
そして、見込み来場者に興味を持たせるコンテンツのタイプを統合し、最終的には、イベントに興味を持ってもらう。専門的にはミニギャップ分析(コンテンツにギャップを見出す)といわれているものだ。 
 
上記を決定したら、ストーリー形式にあてはまらないもの(例えば下記)をあげてみる 
■スピーカー自身と、スピーカーの最新のコンテンツ(ブログ記事、動画など) 
■コミュニティーにおいて影響力のある人物 
■出展者もしくはスポンサーのコンテンツ 
■社員、イベントスタッフのコンテンツ 
 
これらが整ったら、何が足りないのか、どのようなコンテンツを制作する、もしくは購入しなければならないか分析できるだろう。 

コンテンツをどこに発信するか 

これでイベントの目的、ストーリーが明確になったので、次にコンテンツマーケティング戦術(手段)の選択だ。印刷媒体がいいか、ブログ中心の戦術にすべきか、プリントコンテンツはより戦略的か、webコンテンツは実用的な性質か、どのソーシャルメディアに重点をおくべきか、それぞれのチャネルに合ったコンテンツのタイプは何か。 
コンテンツマーケティングのチャネルプランは、どのようなタイプのコンテンツを制作するか、コンテンツの速度、それぞれのチャネルのマトリクス(行動のきっかけとなるもの)を決めるにあたって重要なポイントとなる。 

KPIはどう考える? ~主要マトリクス(指標) 

オンライン・コンテンツマーケティングに特化すると、4つのキーとなるコンテンツマーケティング・マトリクスがある。 
 
■消費マトリクス: ユーザーがどのくらいコンテンツを見ているか、もしくはダウンロードしているか 
■シェアマトリクス: コンテンツがどれだけ頻繁にシェアされているか 
■見込み顧客マトリクス: コンテンツがどれだけイベントの見込み顧客を呼び込むか 
■セールスマトリクス: コンテンツがどれだけイベント来場登録者を呼び込むか 
 
プレゼンテーションで述べたように、イベント・コンテンツマーケティングの最良の方法は購読登録であろう。現在展開しているコンテンツ更新に登録した見込み来場者を得たなら、最終的にイベント来場に誘導できる可能性は高い。先日のイベント、「Content Marketing World」では、メールマガジン購読の登録者に重点を置いた。メールマガジンの登録があれば、最終的に我々のイベントに来場してくれると信じていた。 
二つ目のキーとなるのはシェアマトリクスである。 コンテンツマーケティングは、ネットワークからネットワークへとイベントが告知され、単なるダイレクトメールなどを遥かに上回る効果がある。 

もう一度、自分に問うべき4つの質問 

1. イベントでのすべてのコンテンツを翌年まで活用しているか 
2. 共同プロジェクトを通してメディアパートナーシップを活用しているか (「TopRank Marketing」と「Content Marketing World」の電子書籍のように) 
3. イベント当日以前にスピーカーのコンテンツ (ブログ投稿、QA、podcastインタビュー)を得て利用する機会があるか 
4. 出展者が年間継続できる新たなスポンサーの機会を得ることができるか 

まとめ 

イベント(特に大規模なもの)は、実施ありきで語られることが多いかもしれない。上層部から突然指示が降りてきて、「どう実施するか」の手段のみで語られることも少なくないだろう。しかし、急な指示だとしても、前向きにとらえ、工夫を凝らすことによって良いものにできるのではないだろうか。今回紹介したように、コンテンツマーケティングのエッセンスを入れるのも一つである。 
 
実際にやっていくと「コンテンツストラテジーの適用」というよりも、「イベントのあるべき姿の再考」であることに気付だろう。イベントは社内の注目度も高い。イベントを成功させてビジネスへ貢献することで、マーケティング組織の社内評価も上げていくことが得策である。 
 
イベントを成功に導くためには、リードナーチャリング、リードスコアリングも重要である! 
関連記事 : リードスコアリングの考え方 

参照記事:Content Marketing for Events: 6 Critical Steps 

Scroll to Top