2019年12月20日
コンテンツ監査とは、年末の大掃除のようなものです。年に一度(または定期的に)、自社のウェブサイトを見回り、会社やブランドに適切ではなくなったページを除去します。ほとんど訪問者がいないページに関しては、必ずしも削除するのではなく、更新、統合、維持、または他のページにリダイレクトします。手間はかかりますが、正しくコンテンツ監査を行うことで、自然検索によるトラフィックの大幅アップにつながります。重要なのは、価値ある情報を提供してくれる質の高いウェブページです。検索エンジンが探し、認めてくれるコンテンツの量ではありません。
この記事の目次
ウェブサイトにはコンテンツ監査が必要なのか?
コンテンツ監査にどのくらいの時間と費用をかけるかは、ウェブサイトのサイズと掲載期間によります。また、ウェブサイトで公開されている情報が現在のブランドイメージやメッセージに適しているかどうかも検討します。コンテンツ監査は、ほとんどすべての種類のウェブサイトにとって有益です。例外があるとすれば、立ち上げたばかりのウェブサイトでしょうか。この場合、効果的なページかどうかを判断するための自然検索によるトラフィックのデータがまだ十分にないためです。
コンテンツ監査の実施方法
ウェブサイトにブログがある場合、検索エンジンでブログのURLを入力してコンテンツ監査プロセスを開始します。ここは非常に重要です。Googleがそのブログの何ページ分を検索用インデックスに登録するか、また検索結果画面(SERP)にどのくらいのページが表示されるかを示すためです。さらに、Googleアナリティクスまたは他の分析ツールにアクセスし、ウェブページの実績を確認します。
1. 維持、更新、削除、またはリダイレクトの決定
ウェブページの順番を決めたら、1ページずつレビューをしなければなりません。どの措置を取るべきか決めるための質問を以下にご紹介します。
このページの公開日はいつですか?
公開してから6カ月未満であれば、どのSEOエキスパートも「何もしなくてよい」と判断するでしょう。そのページの実績について十分なデータを収集できないためです。
このページの自然検索によるトラフィックはどのくらいですか?
公開してから6カ月以上が経っている場合は、そのページのトラフィックを確認し、そのうちの何パーセントが自然検索によるものかを判断してください。自然検索によるトラフィックの割合を決める構成は、会社によって異なります。この手順において、社員全員が同じ割合を認識するようにしてください。
このページはサイトにとって重要ですか?
ページによっては有益なトラフィックがほとんどない場合がありますが、だからと言ってそのページを削除したほうがよいということではありません。連絡先情報や利用規約を含むページは、重要ページとして分類されます。これらは、その実績に関わらず、誰かが検索する可能性があるため存在しなければなりません。
バックリンクは含まれていますか?
有益なトラフィックがなく、必要なページでない場合、外部ウェブサイトからリンクを設置される「バックリンク」があるかどうかを確認してください。バックリンクがない場合は、会社のウェブサイトにとって有益ではないため、そのページを削除し、別の関連ページにリダイレクトを設定してもよいと思います。有益なトラフィックが低いページを残すという決断もできますが、その場合はページを更新して1つ以上のバックリンクを含ませる、または他の実績のあるページに301リダイレクト(恒久的な転送)を設定します。
内容が重複している、または似ているページはありますか?
重要な情報を複数のページに掲載していませんか?これらを統合することで自然検索によるトラフィックを高めることができます。また検索エンジンは、長文の文章で、訪問者を長く引き留めることができるページを高く評価し、同じコンテンツを複数のページに掲載しているウェブサイトを評価しません。
2. できる限りコンテンツを更新・改善する
公開してから6カ月以上経っているページで、自然検索によるトラフィックが平均的な場合は、維持しておくことが賢明でしょう。ただし、改善などをしなくてよいという意味ではありません。
短い記事の強化:長文かつ内容の濃いコンテンツの方がよい結果を残します。訪問者がより長く閲覧してくれるためです。閲覧頻度の低い記事には、注意を引くためのグラフィック、動画、高品質の画像などが効果的です。
古い情報の更新:古い日時、締切日、イベント、または削除されているページへのリンクなどが存在しないようにします。
ページのキーワードのチェック:設定したキーワードが現在も適切であり、結果を残しているかどうかを確認します。以前は生産的だった用語が現在はそうでもない場合があります。こういうケースでは、新しいキーワードを選択しなおしてください。
ページの再最適化の検討:重要コンテンツを含むページを検索エンジン向けに最適化したことがない場合、最適化を検討してください。また、検索エンジン向けに最適化をしたのにもかかわらず上位表示されない場合、コンテンツを追加し、そのページにおける対象キーワードの使用頻度を上げます。
これらの手順をすべてクリアすれば、検索結果画面において上位表示され、自然検索によるトラフィックも上昇します。また、リダイレクトするページは、必ず別の関連ページに飛ぶようにして、Googleが301リダイレクトとして処理するように(間違っても404エラーとして処理してしまわないように)することが大切です。
ページ数の多いウェブサイトには自動コンテンツ監査が効果的
例えばあなたの会社のウェブサイトには、大量の製品詳細ページが含まれるとします。社員は全員忙しく、さらに誰も手動でページの監査をする気がありません。こういうケースでは、AhrefsやScreaming Frogを含む自動ツールが便利です。自動ツールを使用する場合、通常以下のようなプロセスがあります。
- コンテンツ監査用のテンプレートをGoogleドライブにコピーする
- ウェブサイトの全ページをテンプレートにインポートする
- Googleアナリティクスからデータをインポートする
- バックリンクからデータをインポートする
- 右端の欄に提供される提案事項を検討し、適切な措置を取る
- 削除されている、またはリダイレクトされているページへのリンクをすべて解除する
実際は上記よりも細かいプロセスがありますが、コンテンツ監査自動ツールのサイトから詳しい説明が送られてきますので安心してください。
コンテンツ監査はどのようにSEO対策を高めるのか?
マーケティング担当者の中には、コンテンツ監査によってウェブサイトのコンテンツが減り、その結果トラフィックも下がるのではないかと懸念して、コンテンツ監査の実施を躊躇している人もいると思います。しかし実際はその逆です。弱いコンテンツを除去し、他のコンテンツを最適化することで、読者により高い価値を提供することができるのです。これによってSERPの表示ランクも上がり、自然検索されやすくなります。Googleのアルゴリズムの場合、量よりも質が優先されます。
SEO対策を高めるためのその他のヒント
コンテンツの質以外では、Googleは、新しいコンテンツの追加頻度も評価材料に入れます。ウェブサイトのメインページには変更のみできるため、まだウェブサイトにブログが付いていない人はすぐに検討してください。ブログがあれば、有益かつタイムリーな情報を読者と共有することができます。その結果、Googleがあなたのサイトをクロールする際に、その新しい記事を「有益」とランク付けします。またGoogleのアルゴリズムは「頻繁に更新をしている活動的なウェブサイトである」と認識してくれます。さらに、サイトをレビューする際は、キーワードを詰め込みすぎないよう注意してください。SEOのベストプラクティスを参考にしてください。
年末の大掃除とコンテンツ監査は似ているとお話ししましたが、コンテンツ監査には、大掃除にはないメリットがあります。それは、年末まで待たずに始められることです!会社のSEO戦略のためになるのであれば、1年に複数回行うこともできます。