【https://saymine.com/】レビュー
目次
- 誰でも簡単にインターネット上で個人データの流出を食い止めることができるサービス「Mine(マイン)」
- 実際にMineを使ってみた
- Mineを使ってみた感想
- まとめ データとデータ所有権の未来
2000年ごろから爆発的に急増したインターネットの利用者数は今や世界人口の6割にあたる45億7,000万人(2020年4月時点)までに達しています。このインターネットブームにより、人々にとって情報を入手することは容易になり、時や場所を問わず誰でも簡単に情報を得ることができるようになりました。しかし、その一方でデータのプライバシーに関する懸念が高まっています。
個人の情報が常にインターネットに接続されているため、知らないうちに自分の情報が収集・使用されているのではないかという懸念の声が多く上がった結果、多くの国でデータ保護に対する関心が高まり、2014年には欧州連合(EU)で個人に組織が所有する個人データの削除を組織に求める権利を与える一般データ保護規則(GDPR)が制定されました。このGDPRは、一般的に「忘れられる権利(RTBF)」または「消去する権利」として知られています。
誰でも簡単にインターネット上で個人データの流出を食い止めることができるサービス「Mine(マイン)」
「Mine(saymine.com)」は、イスラエルを拠点とするスタートアップによるプラットフォームです。ユーザーはこのプラットフォームにEメールアカウントを登録することで、自身のデジタルフットプリント(インターネットを利用したさいに残る記録や履歴)を追跡し、それを元に個人データの流出状況を把握、流出したデータを保有する組織に対してデータの消去を求めることができます。流出した個人データの分析から、個人データの保有を望まないウェブサイトに対する「消去する権利」を行使する趣旨のメール送信まで、全てこのプラットフォーム上で行うことが可能です。現時点では、このシステムはGoogle、Yahoo、マイクロソフトのアカウントを対象として無料で提供されています。この記事では、実際にMineを使用してみて本当に個人データの流出を食い止めることができるのかを検証します。
‘Mine’を実際に使ってみた感想
STEP 1
Mineのサイトにアクセスするとグーグル、Yahoo、またはマイクロソフトいづれかのアカウントを選択してサインインすることができます。
STEP 2 サインインする →ここでは Gmail アカウントを選択します。
STEP 3 最初のページで、 Find out [探し出す]、understand[理解]、Take ownership [所有権の取得] を選択する 3 つの選択肢があります。
STEP 4 必要な個人情報(氏名)を入力する。
STEP 5 個人情報がどの企業に保持されているかを探す。
STEP 6 結果画面で29社の企業が個人情報を保有していることがわかった。
使ってみた結果:
- データ制御のレベル:低
- データを保有する企業: 29
そのうち、
- 財務データを保有している:5社
- 個人情報を保有している:12
- オンライン上でのログデータを保持している:6
- ソーシャル ネットワークに関するデータを保持している:1
詳細情報:
- サービス提供しているデータの種類
- いつデータを提供したか
- ウェブサイトを使用する頻度
- 法令等遵守違反の可能性
- データ流出のリスク
STEP 7 アクションを実行する もしプライバシーデータに問題を発見した場合、Mineのサービスを利用して対応策を打つことができます。今回 ‘Zipeventapp’と呼ばれるサービスに過去に知らないうちにサインアップしていることがわかったので、[Reclaim-取り戻す] をクリックしてデータを削除する手順に進む。
*この手順では、Mineにあなたのアカウントへの制御アクセス権を与える必要ある。
STEP 8 Mineを使用して 「消去を依頼する」電子メールを送る。
STEP 9 電子メールを送信し、返信を待つ.
まとめ:
まずサービスを利用するにあたり、いかに動作がスムーズであるかは大切です。Mineはメールアドレスと氏名の登録のみで利用でき、結果がでるまでもわずか5分以内でした。結果がでてからデータを削除したいサービスを選んで、リクエストを送信する手順もシンプルなUIで非常わかりやすいです。
しかし、インターネット上の行動ログをこのサービスをすべて消去できるか、という点で懸念があります。それは、私は幼い頃から10年以上インターネットサービスを利用しており、gmail、Hotmail、outlook、MSNなど複数のメールアカウントをもっています。そのため、Mineが対応していないメールのアカウントでは利用することができません。また、データの消去をリクエストしても、サービス側が受け入れなければデータを消去することはできません。リクエストをした3つのサービスからはまだレスポンスがきていません。
私たちは常にサービスを長い期間にわたって利用するかどうかには関係なく、登録しますが一度個人情報を登録すると、その痕跡を完全に消去することは難しいということを覚えておく必要があります。データのプライバシーとデータ保護に対する意識は、特に若い世代にとって非常に重要です。「プライバシーは自分で守るもの」という意識を持つ人が増えていくことで、Mineのように気軽に使えるサービスはこれから先も成長を続けるでしょう。