ABMでパイプラインを改善する

2020年2月18日

今回は、アカウントベースドマーケティング(以下「ABM」)を活用したアプローチが、営業及びマーケティングを含む全体の効率をどのくらい上げることができるのかを検証していきます。まず始めに、営業マネージャー、CEO、及びCFOにとって、また彼らのキャリアにとって重要な「売上のパイプライン」についてお話しします。マーケティングチームにとってはあまり身近ではありませんね。

  

あなたの会社のパイプラインは約束を守れますか?

どんなBtoB企業にも、また営業マネージャーやセールスパーソンにもさまざまなビジネスチャンスを含む独自のパイプラインがあります。発見から受注または失注まで、それぞれのバイヤーズジャーニーを反映させたパイプラインです。「パイプラインを持つこと」は簡単ですが、「パイプラインの精度を上げること」は簡単ではありません。

予測可能性の低いパイプラインは、会社全体に大きな打撃を与えます。実績だけでなく、生産計画、IRなど、広範囲に影響を及ぼします。重要なのは、「精度の低いパイプラインは、CEOが取締役会で宣言する約束を破ることになる」ということです。その結果、事業戦略の決定及び実行も非常に難しくなります。

  

根拠のない受注はあり得ない

広範囲にわたる重要要素において他社より10倍以上優れている、いわゆる10X型BtoB企業は、営業やマーケティングの効果・効率アップにつながる新しいベストプラクティスやテクノロジーがあれば、これらを即時導入します。またその大半は、すでにABMを活用しているか、またはABM導入のために動いており、ABMから得られる利益を逃すことはありません。さらに、すべての10X型企業は、自社パイプラインの精度向上に熱心に取り組んでいます。

なぜそれほど熱心に取り組むのでしょうか。答えは簡単です。根拠なく、なんとなく受注できることはあり得ないからです。パイプラインには、ひたすら頑張るだけでは到達できない「成約のチャンス」が含まれていなければなりません。しかしほとんどのBtoB企業のパイプラインは、その精度が非常に低いと思われます。理由は以下の通りです。

  • 取引を、月ごと、または四半期ごとで区切って推進している
  • 不適切な売上でパイプライン数を増やしている
  • パイプラインを健全に保つための重要なビジネスチャンスについてほとんど認識していない

結果的に、誇張されたパイプラインが生まれます。「誇張された」とは、現実よりも2倍から3倍のパイプラインを意味し、半分以上は成約に至らないということです。さらに簡単に言うと、予定していた取引の3分の1のみ成約できるパイプラインのため、営業チームは常に貴重な時間の3分の2を無駄にしているということになります!

   

そのパイプラインは現実的なものですか?

最近、我が社のABMチームが、あるクライアントのパイプラインには「オポチュニティ」として1年以上もの間、案件が眠っていたことを発見しました。しかしひとつの業界における通常のセールスサイクルはわずか3~4カ月です!つまり、これは何かひどい間違いが起こっている兆候だと言えます。私たちの経験から言うと、この間違いは人的要素とプロセスを併わせたものであると言えます。

今日は、ABMによってどれだけ差をつけられるかについてお話するのですが、ここで簡単にセールスパーソンや営業マネージャーなど、人的要素についても触れてみましょう。

セールスパーソンによっては、楽観的過ぎる人もいます。ビジネスミーティングでは常に笑顔で、次のビジネスチャンスを掴んだと確信しています。他には、同僚に対しても上司に対しても努力している姿を見せなければならないと思っている人もいます。また営業マネージャーが望んでいることを間違って認識し、それに基づいて複数のパイプラインを1つにまとめる人もいます。さらに、到達できなかった結果を隠すためにパイプラインを改ざんする人もいるのです。これらはすべて人的な問題ですが、プロセスを変更することで対応できます。

  

プロセスの変更を受け入れる

私たちは、パイプラインの精度を上げるための具体的な方法として、少なくとも2つ提案し、この2つを一緒に活用することをお勧めします。1つめは、組織的かつ的を絞ったABMのルールを導入することです。2つめは、「取引はセールスサイクルの発見ステージにおいて成立または失敗する」と認識することです。

ABMの初心者はまだたくさんいると思いますので、以下に、ABM戦略の手順を簡単にご紹介します。

  1. 会社の理想的な顧客像(アイデアル・カスタマー・プロファイル/ICP)を特定する
  2. ICPに一致するターゲットアカウントのリストを作成する
  3. 関連する購入拠点ごとに該当する担当者と役割を特定する
  4. その購入拠点の担当者に対するチャネルを組織的に開く
  5. 購入拠点の担当者が、パーソナライズ化された関連性の高いメッセージを受信し、あなたの会社と会社の製品を認識するようにする
  6. 成約率を上げるためにアプローチ方法を測定、報告、及び改善し、セールスサイクルを短縮させ、取引のサイズを拡大させ、さらに利益率を引き上げる

このようにABMは、セールスパーソンが現在携わっているアカウント(新規顧客企業及び既存顧客)が、会社の製品や機能に適合しているかどうかを確信することができるため、パイプラインの精度を上げてくれるのです。基本的に、ABMのターゲットアカウントリストに載っている企業は適合しているため、セールスパーソンが通常通過しなければならない「適合性を確認するプロセス」はすでに完了していることになります。

またABMは、セールスサイクルを短縮化することで、パイプラインの成約率を上げます。営業マネージャーなら知っていることですが、取引成立までの期間が長ければ長いほど、失敗する確率が上がります。ABMは、購入グループの担当者をできるだけ多く、またできるだけ迅速に説得することで、セールスサイクルの期間を短縮します。実際にABMを活用する会社のセールスパーソンは、見込み客が本当にその購入グループに所属する担当者であり、また自社に対して好感を抱いていることを確認するまで面会はしません。

  

差を見つける

もちろん10X型企業の戦略でさえ、以下のポイントをクリアし、適格性を見つけるまでは、その内容をパイプラインに入れるべきではありません。

  • そのアカウントとビジネスチャンスは、正式に適格だと認められましたか?
  • バイヤーのペインを正確に特定しましたか?そのバイヤーが投資したがっている理由は何ですか?バイヤーの観点から見て、それは「持つべきもの」または「なすべきこと」ですか?それとも「持った方がよい」または「した方がよい」程度ですか?
  • スケジュールを理解していますか?その中に重要なイベントはありますか?またそのイベントによって、パイプラインに示すスケジュール期間内に「取引を成立できる」と確信が持てますか?
  • 定量化できるROIをもって、見込み客に信頼できるビジネスケースを提示したことがありますか?
  • 会社がこういった意思決定をする際、どのような方法を採用しているか理解していますか?
  • 売上については、セールスサイクルの適切な時期にパイプラインに入れられていますか?

このような質問に回答してみてください。そうすれば、あなたの会社のパイプラインによる成約率は、大幅に上がります。もちろんこれらのポイントをクリアできなかったからと言って、その取引をすべてやめるべきだという意味ではありません。ただ、クリアできない取引については一時的に対象外とし、もっと確率の高いビジネスチャンスを見つけ、取り組んだ方がよいという意味です。

   

これはインパクトMが所属するBBNのBuzz Magazineの記事を翻訳し掲載しているものです。

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